愛知県の記事

大体的なスポーツイベントに乗っかってみる

 プロ野球の日本シリーズが絶賛盛り上がっているわけで。

はじまる前に解説者というのは「どっちが勝つと思いますか?」という予想を求めらるわけで。

当ててもいうほどほめてもらえないのに、外すといじられるというツライお仕事なわけで。

そんな時の保険のかけ方、常套句のひとつが『でも力は互角なのでどちらが勝つにせよ、かなりの確率で第7戦まで行くと思います』なわけで。

今回はこの信憑性を「確率論オンリー」で読み解いてみようかななわけで。

みなさんこんにちは、家庭教師・学参の専属講師Sでございますわけで。


 まずは「野球知らんのじゃ」という方のために条件を整理します。

仮にA,Bという2チームが『先に4勝した方が優勝』というルールで試合をします。

引き分けは無いものとすると、最大でも『4勝3敗』の7試合で優勝チームが決まります。

『力が互角』とのことなので、1試合ごとにA,Bともに勝つ確率は1/2とします。

便宜上、Aが勝つ確率=PAが負ける確率=(1-P)=Qとして整理します。

また、今までの試合結果は次の試合の結果に影響を及ぼさないとします。


 このケースは数学的にいうと「確率」のなかでも『終了条件のある反復試行』といわれるものになります。

第7戦までもつれ込んでAが優勝するためには、

第1段階:第6戦終了時に3勝3敗にしておく

第2段階:第7戦でAが勝つ

という手順を踏みます。

では、第1段階。

 第6戦までにAAABBBの順番で勝つ確率は、P×P×P×Q×Q×Qになります。

また、この勝つ順番AAABBBのならびかえは20通りありますので、

第6戦終了時に3勝3敗になる確率は20×(Pの3乗)×(Qの3乗)・・・①式 です。

この時点で「第7戦まで行くことは確定」なので、『P=1/2Q=1/2』を代入した結果は

5/16=0.3125→31.25%

となります。(・・・あれ?3割程度??)

 ちなみに第1段階終了後、第7戦でAが勝てばAの優勝、Bが勝てばBの優勝ですので、

①式にさらにPをかければ「第7戦までいってAが優勝」、Qをかければ「第7戦までいってBが優勝」の確率になりますよ。


 実力互角で第4戦~第6戦までに決着してしまう確率も同様にまとめたものが下のexcelファイルでございます。

終了条件問題.xlsx

あれ?P=1/2の時って、

第6戦で決着する確率

第7戦まで行く確率が同じですね?

Pの値をいじってみると、そりゃぁどちらかの勝率を1/2より大きくした場合よりは高いのですが、これは『かなりの確率』といっていいモノなのかどうか?

はたしてみなさんはどう感じましたか?

(なお、この考え方を応用して、「1勝2敗からの逆転優勝の確率」なども計算できます。興味のある人はやってみよう!)