モノサシをそろえろよ!というお話。
うちの姪っ子(現在2歳)はなぜか『くまのプーさん』のぬいぐるみを廊下に横たえ、ノド元から下腹部にかけて『おままごと用の包丁×3とフライ返し』をならべるという謎の遊びが大好きでして。
どうやら本人の中では3種類の包丁の並ぶ順番まできっちり決まっているようなのです。
その様子を「今日も平常運転だねー」とながめていたら義姉とこんな話になりました。
「プーさんの住んでる『100エーカーの森』って、何坪くらいなん?」
そもそも、『エーカー』というのはイギリス・アメリカなどで用いられている長さや重さの単位系「ヤード・ポンド法」における面積の単位です。
1エーカー=43,560平方フィートと定義されています。
え?そもそもフィートがわかからん?
と、いうことで大真面目に考えてみました。みなさまこんにちは。家庭教師・学参の専属講師Sでございます。
フィート(feet)はそもそもフット(foot)の複数形で、王様の足の大きさを基準に決めたものです。
かつていろいろな国で「王様の体の一部」を長さの単位に使っていたという時代がありまして、国や王様の代が変わるたびに基準となる長さが違うという迷惑千万なことがおきておりました。
モノを大量に生産して外国に売ることも増えてきた18世紀ごろに統一しようや、ということになり
1フィート=30.4804cm
となりました。ここでは便宜上、約30.5cm=0.305mとして話を進めます。
(ちなみに1ヤードは3フィートだよ!)
次に、1エーカーの大きさをメートル法に直します。
「平方○○(○○は長さの単位)」というのは「一辺の長さが1○○の正方形の面積にして何個分か」ですので、
一辺の長さが□フィートの正方形で1エーカーになっていると仮定すると、
□×□=43,560平方フィート→およそ□=208.71...フィートとなります。
これをメートル法に直すと、一辺が0.305m×208.71フィート=63.65655m→約63.7mとわかります。
また、100エーカーは1エーカーの100倍の面積ですので、面積比は相似比の2乗に比例することを利用して、
「1エーカーの正方形」をたて・横に10倍に拡大することで100エーカーになりますので、
一辺の長さ 63.7m×10=637m
面積では 637×637=405,769平方m
の正方形が1エーカーとわかります。
(ちなみに東京ディズニーランドのほうが51万平方mなので、ひと回り広い)
で、最後に1坪はおよそ3.305平方mなので、
405,769÷3.305=122,774.28...→およそ123,000坪になります。
うーん、単純な広さとしては大きいけど、「森」といわれるとなんだか物足りない...。
というのが義姉の感想でしたが、みなさまはいかがでしょうか?
たまに中学入試の算数でもこんな感じの「扱いなれてない単位に直させる問題」というのは出題されるので計算してみました。
一方で、童謡の「大きな古時計」の歌詞で「100年いつもうごいていた」の「100年」とは「ものすごく長い間」の比喩であって、実際に100年使われていたわけではない(そもそものアメリカでの原詞は"ninety years"=90年、となっている)ことを考えると、これも「3ケタ=すごい広い」という比喩なのでしょうかね~。
なお、現在の日本では取引や証明書類にヤード・ポンド法や坪での記載は「計量法という法律により禁止」されておりますよ。