パナマとイギリスとトウゴウ
選挙期間に入ったので、ちょいと国内のことはいじりにくいな~。
ということで今回は海外の情勢を取り上げてみたいと思います。
みなさま、こんにちは。
『イギリスのEU離脱』の話は、きっと僕以外の方々が取り上げてくれてるだろう!と信じて敢えて裏路線を爆走する家庭教師「学参」の専属講師Sでございます。
さてみなさん「パナマ」と言えば何が思い浮かびますか?
はい!そうですよね!
全会一致で「運河」ですよね!!
実は6月26日にパナマ運河が大きくなったんです!
さあ!ここからはぜひ世界地図で位置を確認しながらいってみよう!
1914年の操業開始以降で最大となる拡張プロジェクトで、2007年から9年がかり総工費は約52億5千万ドル!
アメリカの太平洋側から大西洋側に抜ける近道として、物流ではとてつもなく大きな役割を果たしております!
(無かったら南米大陸をぐるっとまわってこい or 空輸ですからね)
「今までのパナマ運河をギリギリ通れた船のサイズ」を
「パナマックス」と言って、船舶デザイン上で実質的な国際規格のようになっていたんですね。
そのサイズは(水に浸かる部分の)長さ294.1m、幅32.3mまででした。
ちなみに、水路脇の上空にはみ出る甲板部分がありつつ
アイオワ級戦艦さんがギリギリ通れるサイズです。
大和さんやニミッツ級原子力航空母艦さんは船体幅的に絶対通れませんでした。
今回の拡張で長さ366m、幅49mの大型タンカーに対応できるようになり、3倍近い貨物量の船の通過が可能になったんです。
やったね!これで大和さんやニミッツ級さんも通れます!
あ、ちなみに戦艦の主砲の射程距離って船の横幅がないと延ばせないのはご存知ですか?
弾を遠くに飛ばす力を生む
↓
作用と反作用の関係で船体が発射と逆の方向に振られる
↓
横向きに撃つ時は幅がないと踏ん張りが利かず
そのまま転覆!なんですね。
で、太平洋戦争当時、「パナマックス縛り」が戦艦にも及んでいたアメリカを相手に日本は
「アイオワ級さんの射程圏外だけど、こっちからは射程圏内だもん!」という距離から一方的にたたきのめしてやれ!
というコンセプトで大和さんを作ったわけなのです!まあ、実際活躍できたかというツッコミはいろいろ有るわけですが...。
あと、「運河と戦艦」と言えば避けて通れないのは日露戦争時の日本海海戦ですよね!
もともと「バルト海」に配備されていたバルチック艦隊を「旅順港への増援」に送りたいロシア海軍と阻止したい大日本帝国海軍連合艦隊の戦いです。
ロシアの北側は「北極海は年中凍ってる」ので通過不可能。
強制的に「ユーラシア大陸を左回り」に行くしかない。
エジプトに「スエズ運河」があるのでロシアは利用するつもりでいたのですが、
ここで開戦前に結んでおいたトラップカード「日英同盟」を発動!
エジプトを支配下に置いていたイギリスが「お前ら通っちゃダメ、アフリカ大陸まわってけ」という嫌がらせをするわけだ。
結果、多大な労力と移動時間を要して船員のやる気はダダ下がり。移動の間で船底にもっさりとフジツボがついて、長距離航行用の石炭積みっぱ、整備もろくすっぽ出来なかったりで物理的にも機動力低下。「最短距離で旅順に行ったれ!こちとら疲れとんねん!」というバルチック艦隊がやる気満々!万全の整備もしてきました!積み荷もギリギリまで捨ててきて機動力MAX状態!バッチこい!の「運が強いからと司令官に選ばれたという説もある東郷平八郎 」に遭遇してボコられるという海戦ですね!
以上!
物流と戦争史を勉強する時は地図を片手にその
「地政学的な要因」を考えるんだよ!というお話でした!
さて、いろいろ書きましたが、実は今回は何が一番言いたかったかというと...。
パナマとかけて、東郷平八郎と解く。その心は?
どちらも『運河(運が)』良い方が『商機(勝機)』を掴みます。
おあとがよろしいようで。