「つるかめ算」を勉強して魔法使いになってよ♪
野球の世界的な大会において、日本代表は前回大会同様に準決勝敗退に終わりまして。
「いい試合だった」といいつつも『あの場面はこうしていたら、こうなっていれば』というタラレバを考えても、是非もないネ!ってことは分かっているのですがつい考えてしまうのが観戦者の常というもの?
どうも、家庭教師・学参の専属講師Sでございます。
さて、スポーツでタラレバは禁物ですが、算数は「タラレバの思考術」がとても重要です。
たとえば、下のような問題を考えて見ましょう。
『ツルとカメがあわせて10匹います。足は合計で28本ありました。カメは何匹いますか?』
これは中学受験の代名詞的に紹介される「つるかめ算」といわれる問題の典型です。
ポイントは「2種類のものがごっちゃになって合わせていくつ(何匹)か」と
「1あたり量(それぞれの足の本数)の積によって求められる属性の数値の合計」
という2つの合計をヒントに「2種類のものがそれぞれいくつあるか」を求める問題であることす。
ちなみに、公式覚えてつっこんでハイ終了!という教え方は、中堅校くらいまでなら対応できますが、難関校になってくるとそもそも何算かわかりにくい擬装を問題に施しているので苦戦を強いられます。
そこで求められるのが、冒頭の「タラレバの思考術」です。
あ、この先は私が大学時代、教育学の助教授(徹夜明け)が講義でしゃべってた内容を、ほぼ同じテンションで再現しますのでご承知置きくださいませ。
仮に、10匹全部がツルだとしまーす。するとー、2×10=20本しか足がないわけだー。
合計28本にしたいんだから、机の上に8本足があまってるよねー。
使い切らないと気持ち悪いねー。ってことでー、ツルを1匹捕まえてきてー、こう言い聞かすわけだ。
『いいか、お前は今日からカメだ!カメになれ!』
ずぼぉぉぉぉっ!!(何かを刺す仕草)
ハイ、足を(ツルとカメの差である)2本刺したのでツルはカメになりました!
ってことはー、あまってた8本を使い切るためには、8÷2=4匹のツルをカメに変えればOK!
ってことだねー!はい!答えは4匹!
ちなみにー、これ逆に考えると大変なことになんのなー。
(ざわめく教室)
そうそう、全部カメだとするとー足が多すぎるのでー、カメ捕まえてきてー
ざくざくぅぅっ!(手刀で何かを切る仕草×2)
いやー!動物残酷物語だね!!(笑顔)
この話、ありがたく私の授業でも使わせて頂いています。
なお、小学生にこの話をすると結構な率で「そんなことしていいの?」という質問をされます。
私の返しは「実際にやると動物虐待で犯罪!ゼッタイするなよ!でも、想像するだけなら自由!思想信条の自由は憲法で保障されているしな。実際にツルをカメに変えるなんてことは魔法でもないと出来ない。出来ないことでも、もし出来たらどうなるか?と考えることが算数を学ぶ意義のひとつだ!だから算数を勉強する時はみんな魔法使いになれ!」です。
そして、この思考法が身についていると、中学受験の文章題の広範囲で「公式無くても解ける」
という現象がおきるはずです。
はい!そこの中学生!
「こんな問題、連立方程式に当てはめちゃえば何も考えずに単純作業で解けるじゃん?」って!?
正解!その通り!!
それは中学生としては100点満点の答えです。
連立方程式は上記のような余計な思考力を要さない解の出し方のひとつです。
それはそれでもちろん重要な知識です。
ですが残念なことに、中学受験生が中学生になってもつるかめ算を引きずって連立方程式を受け入れられないことがあるのがままあります。
みなさん、進学先でも新しく出てきたことを素直に受け入れるようにしてくださいね。
(でも、「ところてん方式」で過去のことが抜けちゃダメよ!)