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火中の「.0」を拾ってみる

 先日、ネットとテレビでこんなかんじの話をしておりました。

小学生のこどもが算数のテストで6.1+2.9=9.0って書いたら、「.0」は消しなさいっていわれて、減点されていた。

『消さなくてもいいじゃん!』と『消さなきゃだめだよ!』のみなさんはどっち派?

ということで、今回のテーマ「小数点以下の末位の0は消さなきゃいけないの?」ということでございます。

どうもみなさんこんにちは。家庭教師・学参の専属講師Sでございます。

 個人的な結論から言うと、「受験で求められる答え方を教えるのもワシらの仕事なんじゃ!」

ということで、「聞かれ方と答え方」を確認してください。

聞かれ方その1.単なる計算問題や特に指定のない文章題のとき

 整数は小数点以下ずーと「0」がならんでいると考えられます。

だから9.0と9は同じ数とみなすことは可能です。しかし、「じゃあ、ずーとならんでる0を逆に書きたしてもいいですか?」といわれたらどうでしょう?

引き算の繰り下がりで必要ならOKですが、これを許すと意味も無く問題用紙の左上から右下まで0で埋めるちょっと変わった子が出てきますよ。

約分できる分数は約分するように、「省略できるものは省略して表す」というのも立派な数学的思考です。

だから、末位の「.0」は消すんです。

ただし、あくまでも例外があります。

たとえば、「商の位に指定があるわり算」や「四捨五入などのおよその数」で、たまたま末位が0になった場合です。

このときは、「おまえの指定した位までちゃんと計算したんだぜ!たまたま0なんだぜ!」というお仕事したアピールに末位の0は残しましょう。

またこの場合、「.0」を残すことで、本当はピッタリ9ではないんだぜ!ということを示唆しています。


聞かれ方その2.有効数字の話

 理科でよく引っ掛け問題になるのが「メモリは目分量で10分の1まで読め」ということです。

つまり、温度計で25度ピッタリをさしていたとしても、25.0度って答えないと不正解になるってやつです。

でもこれって、さっきのお仕事したアピールと同じですね。

さらにいうと、6.1g+2.9g=9.0gのように計算に単位がついていた場合も、「算数の計算問題ならば、『.0』は消す」、

「理科の計算問題ならば、消さない」のが一般的な模範解答のようです。

算数・数学は「現実では出来ないことを可能にして考える学問」です。

現実にはどれだけ正確に測っても計測できないレベルの誤差が含まれているはずのものでも、ピッタリ測れちゃうのが算数です。

つまり、「ピッタリ6.1g」と「ピッタリ2.9g」を足したら「ピッタリ9.0g=9g」とかいていい。

でも、理科では「誤差が生じる前提」で数を書いているから「.0」残しをするのです。


 結局、算数(数学)と理科で数に対する考え方・価値観が微妙に違うんですね。

理科には有効数字という概念があります。割り切れないならどっかで止めて小数で書いとけよ、という概念です。

算数では(特に指示や意図がない限り)、割り切れないなら分数で書けよ。そのほうが正確なんだし簡単だろ?

という感じです。

はてさて、みなさんのご意見はいかがでしょうか?

なお、「小学生だからどっちでもいいじゃん?」は問題解決にならないので却下でおねがいします。