作問者の意図を読め!(ただし、受験に限らず!)
海の向こうで西も東も大統領に関してドンチャン騒ぎしておりますね。
アメリカ大統領選では、日本の大手マスコミは「ヒラリー優勢」「ヒラリー勝利」を信じていたようですが、いざフタを開けてみたらトランプ氏の勝利。
とある報道番組で「向こうのメディアが読み違ったんだから、われわれ日本のマスコミがわかる訳ないよね」みたいな事をおっしゃっていたそうで。
韓国では大統領の支持率が5%を記録。
「5%って誤差の範囲じゃん?」というのは統計学では常識でございます。ひょっとしたら本当の支持率は2倍の10%もあるかもしれないよ?
もちろん逆に0%かもしれないのですが。
・・・ということで、今回は『世論調査(アンケート)』について考えてみましょう。
みなさまこんにちは。家庭教師・学参の専属講師Sでございます。
まず、世論調査って「絶対に公平・公正に行われている」と思っていませんか?違うからね?
票数の改ざんをしていたら間違いなくアウトですが、それ以外にも「実施者の意図」を結果に反映させる裏技が存在します。ここでは仮に「とあるX内閣への支持率」を調査するとしましょう。
その際、「質問の順番と、しかた」によって支持率は変えられるですよ。
たとえば1問目に「X内閣への支持・不支持」を聞いた場合、直感的に回答することになりますので、その人がもともと持っていた政治的な思想・心理に基づいて回答をします。特定の支持政党のない中立な人は、わからないと回答することになりますね。
そこで「X内閣への支持・不支持」を最後の質問にもってきて、その他の質問でたとえば、「与党は○○法案を、『野党の反対を押し切り強行採決し』可決しました。このことについてどう思いますか?」のような
「意図的にX内閣に対して否定的な表現を入れた質問を繰り返す」と、中立的な人は影響を受けて「X首相なんか感じ悪い!」となり不支持と回答しやすくなります。
また、「隠れトランプ支持者」というワードが話題になっていました。
回答者がそもそも正直に答えていない場合や、アンケートをとる対象者が偏っていれば、結果は正確に現れません。
アメリカは放送局や新聞社が露骨に自社の支持政党を応援する国です。
家事や仕事で忙しい時間に、(個人的に)いけ好かない報道ばかりしているマスコミから世論調査の電話がかかってきたら、そりゃぁ回答せずに速攻で切るでしょ。
日本のマスコミがデータ引用していたアメリカのメディアが単に「ヒラリー支持のマスコミばかり」だった、というだけかもしれません。
年齢層比や男女比など「母集団」にあわせた「標本集団」をとらなければ正確に実態をつかむことはできないのです。
2015年入試から新学習指導要領になり、高校数学でも「データの分析」が範囲として扱われるようにっているのですが、こんなことは学校で教えてくれないんだろうな~、と思っていますがはてさて?
ここで今日の教訓
世論調査・アンケートは、誰かが『出したい結果』を狙って作っているかもしれない!
そして、政治ネタのときのお約束がこちら
特定の政党・団体に対する支持や意見を表明する意図は無くこの記事を書いていますので、ご承知おきくださいませ。