リバ可かリバ不可か?それが問題だ!
ちょっと前に「2位じゃだめなんですか!?」っていう言葉が流行り(?)ましたが、
うん、だめなんだよ!っていう場合も有れば、んー別にいいかな?っていう場合もある。前回予告したとおり、今回はそんな話です。
みなさまこんにちは。家庭教師「学参」の専属講師Sでございます。
さて、順列と組合せについてです。
小学生から高校生まで、「場合の数」の単元は「順列→組合せ」の順で勉強します。
その結果、結構な率で生徒の頭の中には「並べるって書いてあったら順列で、選ぶって書いてあったら組合せ」という思考回路が仕上がっています。
では、以下の問題を考えてみてください。
問1 「6人の生徒から、学級委員2人を選ぶときの場合の数を答えなさい」
問2 「6人の生徒から、会長と副会長の合計2人を選ぶときの場合の数をこたえなさい」
どちらも「2人を選ぶ」という文言なので、両方とも組合せでしょ?とか「出題順的に」問1が順列で問2が組合せでしょ?
と思った人は、今すぐ先週分ブログを読んで感想文ということで。
問1では、学級委員2人の役割分担やどっちが偉いというような「選ぶ順番を入れ替えた場合の差異」が読み取れません。
このときは「誰がなったかだけ」が問われていて、順番は重要ではないと判断できます。
すなわち、問1は「組合せ」の問題です。
問2でも、「2人選ぶ」と言っていますが、
例えば「会長は近藤君で、副会長は土方君」という選び方と
「会長は土方君で、副会長は近藤君」という選び方では、「順番を入れ替えた場合の差異」が読み取れます。
すなわち、問2は選ぶとは言っていますが本質は「順列」の問題です。
ちなみに登場人物や役職は生徒が好きそうなモノを入れていただければ結構ですよ。
私は集団相手の授業では、某水色の猫型ロボットのキャラクターで。家庭教師の場合は、本棚にあるマンガなどを見て好きそうなキャラクターで言っています。
つぎに、こんな2つの看板を見たとしましょう。
「○月▲日、この交差点でトラック×自転車の追突事故がありましたので、目撃者を探しています。
事故を見た・知っている方は△△警察までご連絡ください」
「○月▲日、この交差点で自転車×トラックの追突事故がありましたので、目撃者を探しています。
事故を見た・知っている方は△△警察までご連絡ください」
この2つは、同じ事故状況でしょうか?
「トラックの方がスピード出るし、どちらもトラックが自転車に突っ込んだ事故(つまり組合せ)」と思う人がいる一方で、
「×の前が突っ込んだと仮定すると、2つ目の看板は信号待ちのトラックに自転車が突っ込んだ可能性はゼロではないよね?(つまり順列)」と考える人もいるはずです。
前者は「×という記号をみて、かけ算の前後は入れ替えても計算結果は変わらない」という小学校以来の算数に引っ張られて考えている可能性も有ります。
このように、同じ文章を読んでも「人によってはイメージする状況が異なる」ことがあることも、場合の数では注意すべき点となります。
算数・数学の問題は「数学語」で書かれています。普段の生活でその言葉をイメージする状況と異なっている意味のときが有りますので、
いろいろな問題を経験して「正しい数学語の意味を知っておく」ことが必要になりますよ!