いまさら聞けない(かもしれない)『偏差値』の話
みなさんこんにちは。
家庭教師「学参」の専属講師Sです。
中学・高校ではそろそろ今年度1発目の定期試験の結果が出ているころですね。
学校によっては平均点だけではなく偏差値も算出しているところがありますが、
偏差値ってなに?と言われてきっちり説明できる親御さんはどれくらいでしょうか。
平均点=偏差値50で、数字が大きいほど良い成績だ、くらいの認識
の方も多いかもしれません。
今回はこの「偏差値」の簡単な歴史と定義、そして注意点を確認していきたいと思います。
「偏差値」の生みの親は今年3月末に亡くなった教育評論家の桑田昭三氏とされています。
桑田氏が教員だった時代は「教員の経験からくるカン頼り」だった進路指導に明確で客観的な基準が必要だと考えたのが始まりとされています。
テストではどうしても
扱われる範囲やその単元自体の難易度によって、
指導要領の改定による指導内容の変化、
年度ごとに全く異なる者が受けていることによる差
により点数が変動します。
これらのバラツキにより惑わされることなく、判断を行うための基準として統計学をヒントに考案されました。
さて、偏差値の「定義」ですが、
手順1)全体の平均点を計算します。
手順2)「平均点との差を2乗した値」の平均を計算します。
手順3)手順2)で求めた平均の平方根を取ります。(これを標準偏差という。)
手順4)(自分の得点-平均点)×10÷(標準偏差)+50=偏差値
です。
仮に自分の得点と平均点が等しければ、手順4)の式の前半(+より左側)が0になるため偏差値50になる。
そして、手順2)、手順3)の値が点数の散らばり具合を表していて、「平均点60点のテストで80点取った」としても他の人の点数の散らばりかた次第で偏差値は異なります。
また理論上、偏差値は100を超えたりマイナスになることもあり得ます。
しかし、偏差値にも欠点があることを認識しておきましょう。
1つ目は、「受験形式・科目数が異なる場合にアテにならない」ことです。
例えば
マーク模試の偏差値が良くても、記述式の合格目安と比べてはいけない。
国・算2科目での偏差値がよくても、志望校が4科目受験ではアテにならない。
ということです。
2つ目は、「母集団による誤差があること」です。
「勉強することはダサい」という雰囲気の学校内でとった偏差値50と
「現役で東大行くんだ」という雰囲気の学校内でとった偏差値50が
同じ学力とおもってる奴がいたら「寝言は寝てから言え!!!」
と思われますよ?
一方で、偏差値だけを見て志望校を決めてしまう、という話もよく聞きますが、あくまで今の自分の立ち位置と、目標との関係の『目安』でしかありません。
正しく理解して、上手に偏差値を利用していきましょう。
(次回予告!)
さて、次回は「進路」についてちょっと違った視点からのお話をしようかな・・・。