愛知県の記事

"震災支援"と"売買"の話は両立するのか。(させます!)

 こんにちは。家庭教師「学参」の専属講師Sです。

今後、私がブログを担当する場合は、授業中のできごと

や時事ネタで勉強・進路に関係ありそうなことをメインに、

(しばしば脱線しつつ)書いていければと思います。

 よろしくお願いいたします。


 「熊本地震」が発生して約1ヶ月になります。

被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げるとともに、
一日も早く平穏な日々が訪れますことをお祈りしております。

 連日、支援に関する報道がある中で紹介したいお話があります。

 4月21日に放送された「ジャパネットたかた」の通販番組に

おいて生放送から引退していた前社長、高田明氏が登場し、
この日の放送で扱った商品の『全売り上げ』を寄付する、

と表明しました。

 ちょうど中学受験志望の小学生に『売買』についての授業を

していた時期だったので、この話をしてみたのですが、反応は

きれいに分かれました。

「(ぽかーんとして)え?それってすごいの?」

「それって売れば売るほど損しちゃうじゃん!」です。


 『売買』は1個だけ仕入れて売る場合から勉強します。

ここで「仕入れ値・原価」「定価」「売り値」「利益・損失」の関係と、
「割合の1あたり量はなにか」を理解しなければいけません。

原則的に

 (利益率)=(利益の金額)÷(仕入れ値)
 つまり、仕入れ値をもとにして割合を定める

 (値引率)=(値引の金額)÷(定価)
 つまり、定価をもとにして割合を定める

という不文律があります。

 また、売り値が仕入れ値より多い場合には

 (利益)=(売り値)-(仕入れ値・原価)

であることを理解しておかなければ、
「売り値には、仕入れ値・原価も含まれている」※1

ということが理解できません。


 さらに複数個を仕入れて売る場合は「合計の~」という枕が

つくものや「売り値が2種類(以上)」という場合もあります。


 単純に、計算しなければいけないものが多くなるので、

どこまで求めたのか「迷子」になる確率が上がります。

 その中でも絶好の迷子ポイントが、

「合計の利益」については


 「合計の売り上げと、合計の原価・仕入れ値との、差額」 
 「1個あたりの利益×売った個数」

のどちらで求めるかという判断を迫られること、です。

ちなみに、後者の考え方を使う場合は

「仕入れたもの全部を、同じ値段で売り切っている」場合に

使える考え方なのですが、このとき

「売った個数が増えれば売り上げは増えるが、

それにかかった合計の仕入れ値・原価も増えている」※2

ということを理解している必要があります。

 つまり、今回のジャパネットたかたの『全売り上げ寄付』の話をきいて「ぽかーん」とした子は、

※1、2のいずれかが理解できていない危険性があるわけです。